暴漢に突然襲われた時の対処法を常に考えている
街を歩いている時に、ふと「もし今、暴漢が襲ってきたらどうする?」という自問自答をすることがある。別に可憐な乙女でも、美脚をさらけ出した美女でもない、ただのダイエット中のおっさんなのだけれど。
頭の中の自分は人類最強
グラップラー刃牙に出てくる範馬勇次郎は「人類最強」と格闘技界では認識されている。その強さは果てしなく、空手チョップで人間の肩をえぐり、地面に拳を叩きつければ地震が止まる。
そして、頭の中の自分も、それに匹敵する強さなのだ。
いつからだったか、正確には覚えていないけれど。おそらく漫画やアニメといった空想の世界にハマった小学校高学年頃からだったと思う。僕は常に闘っていた、頭の中で。
頭の中の僕の動体視力は半端ない
例えば駅の構内で、いきなりナイフを持った男が叫びながら僕に向かって突進してくるとしよう。
そんな時の僕の動体視力は、相手の動きが止まって見えるくらい向上する。突き立てたナイフの先端まで鮮明に見えるため、暴漢の攻撃をヒラリと交わし、「トンッ」と手刀でナイフを地面に落とす。この時もちろん口角は上がっている。目は薄目にして、「無駄だよ」とクールな表情を浮かべている。
頭の中の僕のカウンター攻撃は巧みすぎる
地面にナイフを落としたあとは、こちらからの攻撃だ。ナイフを手刀で地面に落とした後は、相手の背後に回りこみ、「ドッ」と首の神経系を人差し指と中指で押す。そう、ただ押すだけだ。
神経系を刺激された暴漢は、何が起こったか分からないといった表情を浮かべながら、目を回し、そのまま、ナイフと同じように地面に倒れこむ。
2撃。
暴漢を倒すのに必要なこちらの攻撃は2撃で十分なのだ。
頭の中の僕の決め台詞は抱かれてもいいレベル
地面に今にも倒れこもうとする暴漢を薄目で見つめながら一言だけつぶやく。たった一言だけ。
「地面にキスでもしてな」
そのまま、地面に完全に倒れる暴漢を見ることもなく、ゆっくりと歩き出す。
まとめ
気づいていない人もいるかもしれないけれど、全部妄想の話だ。
人間ってこんなに妄想するのか、ってくらい常に妄想は止まらない。多分現実社会の厳しさや、理想と現実のギャップに葛藤する自分から逃げるための逃避だと思う。
職場で上司に怒られている時も頭の中では、両耳に指を突っ込み、三半規管を機能不全にさせ、そのまま膝を相手の顔に喰らわせ、そして、鼻血を吹き出しながら後ろに倒れていくのを見ることなく、後ろを振り向き、「お世話になりました。」とつぶやいて会社を後にする。
と、そんなのはただの妄想で、現実の自分は、「大変申し訳ございません。」と深々と頭を下げ、後ろを振り向くこともなく、上司の怒りが収まるまで、地面を見つめている。
「働く」ってなんなんだろう。
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/im0man