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否定するでも批判するでもなく、ありのままを受け入れるーー書籍「みんなバーに帰る」

落語とは人間の業の肯定

落語家「立川談志」語録の一つ。自分なりの解釈としては、「人間が生来持っている欲求なんかは、否定しても批判しても抑止出来ないし、業の否定は"その人自身"の否定だから、受け入れよう(落語は、肯定した上で誇張して面白おかしくしよう)」としている。

「みんなバーに帰る」を読んだのだ。

みんなバーに帰る

みんなバーに帰る

書評ではないし、何か得たわけでもないし、ただただダラダラと読んだだけの本「みんなバーに帰る」を紹介したかったのです。

あらすじとしてはこんな感じ。

人はどこまで、ダメになれるのか? 夜ごと繁栄の街・ハリウッドの外れのバーに集結する、ありとあらゆる種類のダメなひとびと。ウィスキー、テキーラ、ビールにコカインが乱舞する夜が明け、そしてまた夜が訪れる……。渇いた文体で活写する、酒に踊り、酒に溺れる人々の酔態、痴態、狂態。『シスターズ・ブラザーズ』が話題を呼んだ、鬼才パトリック・デウィットの驚嘆のデビュー作。つねに誰かが酔っている、泥酔文学の金字塔!

「泥酔文学」の金字塔という描写と、最近友人がBarにまつわるサービスを始めたので、何気なく本屋で手にとってみた。
内容としては、あらすじに書いてある通り、とある場末のバーに勤務する主人公を中心として、本当にダメでクズな常連客たちの奇行・痴態を備忘録感覚でしたためている。例えばこんな感じ。

常連の一人である陰気な黒人男性、カーティスのことを書く。彼は警察官の制服を偏愛していおり、いつも白バイ警官のごつい革ジャンを着て警察御用達のミラー・サングラスをかけ、大きな革製のホルスターをぶら下げているけれど、むろん拳銃は持っていない。〜中略〜その酒を飲み干した彼は、明けの美味さと君の趣味のよさを激賞し、君が語る全てのジョークに馬鹿笑いをするけれど、それは必ずしも友情を深めるためではなく、君にウイスキーを一杯奢らせるためのお追従にほかならない。

「友情よりも酒」という、アルコールへの依存度が凄まじい彼。そんな彼も昔は、友人に酒をおごり、主人公であるバーの店員にチップもたんまりと出していた。この後のエピソードで、彼がいかにして、奢る側から、奢られることが当然、そして友人よりもアルコールを優位に立たせてしまった経緯などが描かれる。

お酒を飲んではいけない、って話ではなく、ただ堕ちていく様を見る本

4部構成となる本書、はじめこそ主人公は一歩引いてバーに足を運ぶ常連客たちのエピソードを始めていたが、後半主人公もほとんど犯罪だろってところに手を出していきます。そこまでの経緯は、まさに「堕落」

読酒を片手に、落語をみるかのように人間の本質、リアリティを少しブラックなジョークが混じったものとして読んでいくことをオススメします。得られることは別に何もない。強いて言えば、冒頭でも述べた立川談志の語録。

落語とは人間の業の肯定

に尽きる。業は否定も批判も出来ない、けれど受け入れることは出来る。自分の身の回りに起きる出来事、自分自身に起きる出来事、自分の欲求から発生してしまった事象、他人がもたらす自身への影響、他人の奇行・痴態・失態、全てを受け入れ、落語のように面白おかしく笑えればそれでいい、くらいのスタンスでいきたい。



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まとめ

みんなバーに帰る

みんなバーに帰る

欲求に従って生きている人間の様を自分自身に照らし合わせたり、時折突っ込みなどを入れつつ読んでほしい。ダメすぎて、ダメすぎて、人間ってこんなにダメになれるんだ、って思える。


「あぁ、これを見てたら自分なんか幾分ましだな」と思う反面、ここまで落ちていく可能性は誰しもあるという恐怖も覚えた。だって人間だもの。

自分自身の欲求に抗いながら生きていくことは窮屈だけれど、社会が肯定しているのは、そういう人間で、やっぱりこの書籍に出てくる人たちのことは社会的には批判されがちなんだろうな。

でも、お酒を飲んでる時くらいは、落ちて、堕ちて、どこまで堕ちていってもいいんじゃないかな、と自分の中で天使(社会)と悪魔(欲求)が酒を酌み交わしながらケンカを始めたので、僕も一口いただくことにする。

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また明日! /im0man

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