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「嘘つき」と思われがちな「新型うつ」って何?

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世間から見ると「嘘つき」と思われがちな「新型うつ」はやはりちゃんとした病気なので、本人もそうですが、企業としてもしっかりと向き合わなければならないでしょう。

 

新型うつって何?

日本のパニック障害の権威である貝谷久宣氏によると、新型うつとは以下のような症状をいうそうです。

非定型うつ病のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

非定型うつ病のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

 

新型うつ」という言葉は、そもそも心理学用語になく、メディアによる造語です。私も、患者の治療をする際にそういう言葉は使いません。私がこれまでの臨床経験から言えることは、世間で「新型うつ」と呼ばれている病気は、単なるうつ病ではなく「非定型うつ病」の兆候に似ているということ。まったくイコールとは言い切れませんが、ほぼそうだと考えられます。*1

 つまり、貝谷氏によると「新型うつ=非定型うつ」に近しいとのことです。とはいえ、非定型うつって?という疑問が頭をよぎってしまうので、非定型うつとは何かについて説明しましょう。

 

「非定型うつ病」の特徴は、本人にとって都合の悪いことに対面すると気分が沈み込んだ状態が続くものの、よいことや楽しい出来事があると、それまでの不調がウソのようにたちまち元気になるということ。

 これが従来型のうつとは違いやっかいな特徴なのです。会社にいない時はとても元気でおよそ精神疾患の患者とは思えません。だから、会社の人事も「嘘なんじゃないか?」と疑問を持ちがちなのです。

 

日本最大のHRネットワークである日本の人事部は、新型うつについて下記のように挙げています。

  • 自分の好きな仕事や活動の時だけ元気になる(うつ症状が軽くなる)
  • 「うつ」で休職することにあまり抵抗がなく、休職中の手当など社内制度をよくチェックしていて、上手に利用する傾向がある
  • 身体的疲労感や不調感を伴うことが多い
  • 自責感に乏しく、他罰的で会社や上司のせいにしがち
  • どちらかというと真面目で負けず嫌いな性格

やはり、嘘つきと思われそうな特徴ですよね。特に「他責思考」は組織に属している場合は嫌悪されがちですし。

 

どんな人が陥りやすいのか?

ここまで新型うつとは?について触れてきましたが、一体どんな人がこの病気にかかりやすいのでしょうか?パニック障害の権威貝谷氏はこのようにおっしゃっています。

典型的なタイプは2つあります。第一に、プライドが高く自己愛型の人です。たとえば、偏差値の高い学校を出ており、いつもトップを走ってきて、誰かに褒められていないと気が済まないような人。第二に、気が小さくて人の顔色ばかりうかがっている人。こうした人たちが、ささいな挫折の経験で拒絶過敏症になり、軽傷のPTSDに似た症状に陥る可能性が高いです。

子供の頃から、親や周囲の顔色ばかり窺い過ごしてきた場合はとてもかかる可能性があがってしまうそうです。個人的には他人事ではなく、幼少期は親や友人が楽しんでいるか?喜んでいるか?怒っているか?ということばかり気にしていました。そのうち、ふとした表情だけで相手が何を考えているかを過剰に考えすぎてしまう癖もできてしまっています。

 

解消するためには?

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従来のうつ病などは、休養することが第一に考えられてきました。しかし非定型うつは、特徴からも分かるとおり、昼間は活動的なのです。なので、「日中は目標を持って過ごす」ということが第一に考えられます。

 

以下は、うつ病電話カウンセラーとして活動するあさくらゆかりさんのブログで紹介されていた解消法です。

 

「規則正しい生活をする」

本来人間は、およそ24時間で刻まれている生体リズムにより、
朝になると目覚め、夜に眠くなるものです。
しかし非定型うつ病の場合、生体リズムに乱れが生じ、昼夜逆転という現象が起こりやすくなります。
非定型うつ病では「鉛様まひ」といって手足に重りがついたように身体が重くなり
ぐったりという身体感覚をもつことが多いのですが
これも生体リズムの乱れにより昼間覚醒がうまくできないために起こると考えられています。生活のリズムを乱れたままにしておくと、
ゆううつ、イライラ、身体のだるさという症状がますます悪化する傾向があります。
朝はきちんと起きて食事をとり、夜は眠る。少しずつ心がけてみましょう。
朝、太陽の光を浴びると、目に光が入ることにより
メラトニンという睡眠物質の分泌が抑制されるといわれています。

 

「毎日目標を持って生きる」

朝の目覚めがよければ「今日はこれをしよう」とその日の目標を決めてみましょう。
本を読む、散歩をするなどごく簡単なことでかまいません。
昼間の覚醒を促し、生活リズムを整えるのに役立ちます。

 

「掃除や片付けなど整理整頓を心がける」

無理なく自然に身体を動かす方法としておすすめです。
目に見える達成感もあります。

 

「外に出て汗を流す」

体調が良いときは、一日一度は外に出て有酸素運動をすると
気分を安定させる脳内物質の分泌が増えるといわれています。

 

まとめ

非定型うつは、家族や友人、同僚からの協力も得ずらいのが難点です。もしかしたら、誰からも理解されないことに悩んでしまうかもしれません。そんな時はまずは、心療内科のカウンセリングを受診してみてください。彼らはやはり聞き手・支援者としてのプロですので、あなたの悩みについて真剣に向き合ってくれるでしょう。 

 

/im0man

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